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16- I- 0029 201 6 年 8 月 1 日
株式会社日本格付研究所(J C R)は、以下のとおり信用格付の結果を公表します。
ロ
シ
ア
連邦
(証券コード:−)【据置】
外貨建長期発行体格付 BB+ 格付の見通し ネガティブ 自国通貨建長期発行体格付 BB+ 格付の見通し ネガティブ ■ 格付事由
(1) 欧米諸国による経済制裁と原油価格急落の影響により、ロシア経済は 15 年に 3. 7%のマイナス成長を余 儀なくされ、資源依存度が高い経済構造の脆弱性を露見する結果となった。16 年 2 月のロシアとサウジ アラビアとの増産凍結合意を背景に原油価格は上昇に転じたものの、英国の E U離脱に関する国民投票後、 原油先物価格が下落し、今後の原油価格の見通しが不透明になっている。原油価格の反転を背景にロシア 経済は四半期ベースでは 16 年内に底を打ち、回復に向かうと見られるものの、回復力は限定的な水準に 止まると予測される。ウクライナ問題については、15 年 2 月に停戦合意が取り交わされたが、合意順守 は未だ果たされておらず、経済制裁解除の見通しが立たない状況が続いている。そうした状況下、ロシア の主要輸出先である欧州経済が、英国の E U離脱問題の影響でさらに減速する可能性が生じてきた。この ため、ロシアからの資本流出の動向など経済への影響に注意が必要となっている。他方、資源価格の下落 と経済悪化により 15 年に連邦政府財政赤字が拡大を余儀なくされ、同赤字補填により予備基金が大きく 減少した。16 年以降も中期的に赤字財政が続くと見られ、その補填により同基金が減少を続け、財政の 耐久力が低下する可能性がある。以上のような状況を考慮し、J C R は今般、ロシアの格付を据え置くとと もに、見通しを引き続きネガティブとした。
(2) 16年の連邦政府予算は、当初、財政赤字を GDP比で 3%と計画した。ただし、原油価格が現状、予算想 定の 50 ドルを下回っていることや危機対策の追加財政出動の影響で、財政赤字が拡大する可能性がある。 ロシアの財政収支は資源価格下落の影響を受けやすく、同国は歳入基盤の強化という難しい課題に直面し ている。政府は、過去 2 年、財政赤字目標の達成のため、全般的な歳出削減および公務員賃金凍結などの 改善措置を実施してきた。他方、政府はこれまで財政黒字を「予備基金」と「国民福祉基金」として積み 立ててきた。両基金の残高は 16 年 5 月末現在、各々2.6 兆ルーブルと 4. 8 兆ルーブルで合計額 7. 4 兆ルー ブルは 15 年GDP比約 9%に相当する。15 年末の政府債務/GDP比率はこれをやや上回る水準にとどま っているが、財政赤字の補填により予備基金は 15年に 1. 3 兆ルーブル減少した。今後とも中期的に財政 赤字が続くため、同基金の減少が続く可能性が高く、今後の動向を注視する。金融システムについては、 経済の悪化により銀行の不良債権比率(IMF )が 14 年末の 6. 7%から 16 年 3 月末の 9. 2%に大きく上昇し ており、その抑制が課題となっている。銀行部門の自己資本比率は 16年 4月末現在 12.5%と15年末の 12. 7%からわずかに低下した。なお、政府は 14 年末から 15 年にかけて政府系銀行を中心とする銀行への 公的資金注入、引当基準の緩和、流動性の提供などの危機対策を実施し、金融システムの安定化を図った。 他方、銀行部門の国内与信残高の GDP 比率は 2015 年末現在 54. 5%と低位に止まっており、金融システム の健全な発展は、ロシア経済の持続的成長を実現する上で依然重要課題である。
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たが、BRE X IT 問題の影響から主要輸出先である欧州経済が低迷すれば、輸出の回復が妨げられる可能性 が高まる。他方、対外債務残高は、経済制裁の影響で外貨調達が制限される中、14 年末の 5, 999 億ドル から15 年末の5, 185 億ドルに大きく減少した。短期対外債務残高も同期間に630 億ドルから444 億ドル に減少した。ただし、外貨準備高も同期間に 3, 394 億ドルから 3, 198 億ドルに減少している。14 年に大き く拡大した国際資本の流出は 15年には縮小したものの、経済制裁が続く中、発生した BRE X IT 問題の今 後の展開次第では国際金融市場でリスク回避が広がる恐れもあり、今後の動向を注視する。
(担当)増田 篤・田村 喜彦 ■ 格付対象
発行体:ロシア連邦(R ussian F ederation) 【据置】
対象 格付 見通し
外貨建長期発行体格付 BB+ ネガティブ 自国通貨建長期発行体格付 BB+ ネガティブ
格付提供方針に基づくその他開示事項
1. 信用格付を付与した年月日:2016 年 7 月 27 日
2. 信用格付の付与について代表して責任を有する者:増田 篤
主任格付アナリスト:増田 篤
3. 評価の前提・等級基準:
評価の前提および等級基準は、J C R のホームページ(http:/ / www. jcr. co. jp)の「格付方針等」に「信用格付の種類
と記号の定義」(2014 年 1 月 6 日)として掲載している。
4. 信用格付の付与にかかる方法の概要:
本 件 信 用 格 付の 付 与 にか か る方 法 の 概 要 は、 J C R の ホ ー ムペ ー ジ ( http:/ / www. jcr. co. jp) の 「 格 付 方針 等 」 に 、
「ソブリン・準ソブリンの信用格付方法」(2014 年 11 月 7 日)として掲載している。
5. 格付関係者:
(発行体・債務者等) ロシア連邦(Russian F ederation)
6. 本件信用格付の前提・意義・限界:
本件信用格付は、格付対象となる債務について約定通り履行される確実性の程度を等級をもって示すものである。
本件信用格付は、債務履行の確実性の程度に関しての J C R の現時点での総合的な意見の表明であり、当該確実性
の程度を完全に表示しているものではない。また、本件信用格付は、デフォルト率や損失の程度を予想するもので
はない。本件信用格付の評価の対象には、価格変動リスクや市場流動性リスクなど、債務履行の確実性の程度以外
の事項は含まれない。
本件信用格付は、格付対象の発行体の業績、規制などを含む業界環境などの変化に伴い見直され、変動する。ま
た、本件信用格付の付与にあたり利用した情報は、J C R が格付対象の発行体および正確で信頼すべき情報源から入
手したものであるが、当該情報には、人為的、機械的またはその他の理由により誤りが存在する可能性がある。
7. 本件信用格付に利用した主要な情報の概要および提供者:
・ 格付関係者が公表した経済・財政運営方針などに関する資料および説明
・ 経済・財政動向などに関し中立的な機関が公表した統計・報告
8. 利用した主要な情報の品質を確保するために講じられた措置の概要:
J C R は、信用格付の審査の基礎をなす情報の品質確保についての方針を定めている。本件信用格付においては、
発行体または中立的な機関による対外公表という、当該方針が求める要件を満たした情報を、審査の基礎をなす情
報として利用した。
9. 非依頼格付について:
本件信用格付は格付関係者からの依頼に基づかない信用格付である。国に対する信用格付である場合を除き、依
頼に基づく格付と区別するため格付記号の後に「p」を表示している。格付関係者からは、信用評価に重要な影響を及
ぼす非公表情報を入手していない。
10.J C R に対して直近 1 年以内に講じられた監督上の措置:なし
■留意事項
本文書に記載された情報は、J C Rが、発行体および正確で信頼すべき情報源から入手したものです。ただし、当該情報には、人為的、機械的、また
はその他の事由による誤りが存在する可能性があります。したがって、J C Rは、明示的であると黙示的であるとを問わず、当該情報の正確性、結果、
的確性、適時性、完全性、市場性、特定の目的への適合性について、一切表明保証するものではなく、また、J C Rは、当該情報の誤り、遺漏、また
は当該情報を使用した結果について、一切責任を負いません。J C R は、いかなる状況においても、当該情報のあらゆる使用から生じうる、機会損失、
金銭的損失を含むあらゆる種類の、特別損害、間接損害、付随的損害、派生的損害について、契約責任、不法行為責任、無過失責任その他責任原因
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って、事実の表明ではなく、信用リスクの判断や個別の債券、コマーシャルペーパー等の購入、売却、保有の意思決定に関して何らの推奨をするも
のでもありません。J C Rの格付は、情報の変更、情報の不足その他の事由により変更、中断、または撤回されることがあります。格付は原則として
発行体より手数料をいただいて行っております。J C Rの格付データを含め、本文書に係る一切の権利は、J C Rが保有しています。J C Rの格付データ
を含め、本文書の一部または全部を問わず、J C R に無断で複製、翻案、改変等をすることは禁じられています。
■NR S R O 登録状況
J C R は、米国証券取引委員会の定める NRSRO(Nationally Recognized Statistical Rating O rganization)の 5 つの信用格付クラスのうち、以下の 4 クラ
スに登録しています。(1)金融機関、ブローカー・ディーラー、(2)保険会社、(3)一般事業法人、(4)政府・地方自治体。米国証券取引委員会規則
17g-7(a)項に基づく開示の対象となる場合、当該開示はJ C Rのホームページの“ Rating Information” (http: / / www. jcr. co. jp/ english/ top_cont/ rat_info01. php) に掲載されるニュースリリースに添付しています。
■本件に関するお問い合わせ先